製品を世に送り出すための重要ポジションを担う
Profile
工学部電子・情報工学科出身。薬事課で医療機器の販売に必要な国の認可を取得するための書類などを作成する重要な業務に携わる。趣味はゲーム、フットサル、ジム、温泉巡り。
この業界と帝人ナカシマメディカルを選んだ理由は何ですか?
私には寝たきり状態の祖母がおり、そんな祖母のために自分も何か力になれないか、と思ったのが医療分野を目指すきっかけです。
香川の大学卒業後は地元で就職したいと思い、岡山県内で人工関節やサポーターなどのメーカーを調べるうちに、合同企業説明会で当社に出合いました。ちょうど2学年上の先輩がナカシマプロペラ(株)に勤務しており、親近感を持って見るうちにナカシマグループにはメディカル部門があることを知りました。その後、ご縁あって入社し、現在に至っています。
どんな仕事をしていますか?
医療機器を販売するには国の認可が必要で、製品の安全性を確認した上で、認可を得るための承認申請書を作成するのが私の部署の仕事です。通常は大学卒業時に作成する論文1本程度のものを年間4、5本程度作成。承認申請書の他にもいくつかの書類があり、トータル12本から16本程度を課内で分担して行っています。
すべての機器が対象ですから全製品についてある程度の理解が必要です。最初は知識ゼロからのスタートですが、慣れと経験値は年数を経るごとに培われていきますし、上司のサポートも得ながら取り組んでいます。
仕事で大切にしていることは? またやりがいはどんなことですか?
作成した書類に誤字脱字がないよう、細心の注意を払っています。例えば、数字でここだけは絶対に間違ってはいけないポイントがあり、万が一そこを間違うと、製品の安全性に疑義が生じるため承認できないという話になりかねません。各部署が集まって同時に数字を見ながら確認し合うダブルチェックを欠かさず行っています。
こうして最善を尽くして書類をまとめ、薬事承認書を受領した時はやりがいを感じます。担当者の名前が残るため、自分自身の評価物としても達成感があります。
研修について印象に残る事は?
私たちの時は他の会社と合同で自衛隊研修を行いました。団結を高めるために隊列になって行動したり、自衛隊員と同じような生活を送ったりするのですが、緊急事態を想定した訓練ありました。食事も10分以内で完食しなければならないなど、いろんな体験をしましたね。
ナカシマグループではナカシマプロペラ(株)、(株)システムズナカシマとの合同研修を行い、その後当社単独で研修行います。製造現場では人工関節の研磨作業を体験し、熟練者と新人の違いを思い知らされました。4時間かけて磨きあげ、きれいにできたつもりでも熟練者が見ればまったくダメで。見えない部分にどれだけこだわり抜くか、その技術の差を実感しました。
自分の成長を感じるエピソードがありますか?
医療機器を病院に卸す際、償還価格というものがあり、医療機関が国に医療材料として請求します。今までにない製品の場合は、その償還価格を新しく決めるために専門家や厚生労働省の人に製品の有効性や効果を説明する場があるのですが、最初に担当した時、緊張のあまり話すことを忘れてしまったり、言葉が出なかったりして苦労しました。一度だけ上司に交代してもらったこともあります。それ以来、自分で意識し、場数を踏むことで落ち着いて自分の言葉で話せるようになった時は、少しは成長したかなと思いました。
今後、チャレンジしてみたいことや展望は?
パソコンでの作業が基本ですが、資料は紙ベースで管理しているのが現状です。法令や規則に準拠するために必要なことですが、社会的にはデジタル化も進められており、当社としても取り組んでいます。実現には当社の規定そのものを改定しなければならない時もありますが、携わることが可能な範囲で、少しずつでも取り組んでいけたらと考えています。
また、今後は臨床研究や治験に関する業務の場を増やしていきたいです。治験をすること自体が希少であり、なかなか巡り合うことが難しいですが、可能な限り臨床研究の場に関わっていきたいと思っています。
後輩たちにメッセージをお願いします。
責任を持ってきちんと仕事をこなすせる人が来てくれるといいですね。でも、最近の自分自身の反省から、やるべきことを抱えすぎて壊れてしまわないように、キャパオーバーで苦しい時は素直に言えることも大切です。仕事ができるようになるに越したことはありませんが、バランス感覚も大事です。
就職活動をする時、重要なのは自分が会社に入って何ができるか、何がしたいか、だと思います。志望動機は人それぞれですし、あまり難しく考えず、正直な気持ちで自分に向き合ってみてください。