開発部

自信を持ってすすめられる国産人工膝関節を開発

2016年4月入社
開発部

Profile

工学研究科博士後期課程出身。家族が変形性膝関節症を患ったことをきっかけに人工膝関節に関心を持つ。入社以来、開発部で人工膝関節開発の設計に携わる。

この業界と帝人ナカシマメディカルを選んだ理由は何ですか?

大学の研究室で整形外科の手術サポートのためのデバイスなどを作っていた経緯で医療には関心があり、社会貢献度が高い医療分野ならば自分が学んだことを活かせると思いました。ちょうど私が大学に入った頃、母が変形性膝関節症に悩み、人工関節を入れなければならないと宣告を受けまして。母のために人工関節を作りたいと思ったのが当社を選んだきっかけです。

どんな仕事をしていますか?

人工膝関節の設計がメインの仕事です。医療器具とはいえ工業製品なので、製造には設計図面が必要です。人間の膝の形と同じものを作るため、曲率半径がどれくらいかなどいろいろと調整をしながら設計図面を描いていきます。人の骨の形に合わせて作るので、膨大な数の骨の情報を計測して平均値を出し、どこまで規格品でカバーできるかを考慮しながらサイズ展開も考えます。医師によって手術方法が異なり、そこまで考慮しなければならないため、製品知識だけでなく手術についても学ぶ必要があります。さらに、手術をサポートするために必要な200点から300点もの手術器械の設計もします。しなければならないことは山のようにあります。
当社の経営目的に「自らや肉親にも自信を持って採用出来る人工関節の製造」という言葉がありますが、自分たちは患者さんに自信を持っておすすめするために、どれだけのことをしてきたか。つまり、どれだけ自分の時間を費やしたかということを、常に意識して仕事に取り組んでいます。

大変だったのはどんな仕事ですか?

基本的には標準の器械を使いますが、よりよい手術のために特注の手術器械を要望されることもあります。その際に、営業担当だけでなく開発担当者も医師と打ち合わせをすることもあります。医師によって、手術の仕方が異なるうえに自分たちでは思いつかない改良点を教えていただくことがあるので、その希望をかなえるのは大変ですが、気づきも多いですね。

どんなところにやりがいを感じますか?

以前、医療関係者の方から、左膝に当社の人工関節を入れた患者さんが「調子がいいので右膝にも同じものを入れてほしい」と言っていたと聞いた時はうれしかったですね。また、特注の手術器械で「先生が使いやすくてよかったと褒めていたよ」と営業担当から伝えられた時もうれしかったです。やはり実際に使った人の喜びの声はやりがいに繋がります。

会社について感じていることは?

前述した通り、「自らや肉親にも自信を持って採用出来る人工関節の製造」という経営目的にはとても共感しています。会社の雰囲気としては、平均年齢に近い30代が一番多いので話しやすいですね。若手でも意見を言う機会は多いので、ちゃんと聞いてもらえますし、新しいことにもチャレンジさせてもらえる雰囲気があり、ありがたいことだと思っています。

今後の展望は?

現在の人工関節手術では、まだまだ医師の経験や勘に頼る部分があります。そこを誰もがベテラン医師と同じレベルで手術が行えるよう、例えばベテラン医師の感覚を数値化し、それをもとに手術支援ツールを開発できればおもしろいのでは、と考えています。また、バイオメカニクスに基づく人工関節の開発もしてみたいですね。将来的には人工膝関節の開発者として、社内外でも名前が知られるようになっていたいです。

後輩たちにメッセージをお願いします。

ものづくりが好きという要素は絶対に必要です。この仕事は達成感を感じられるまでのスパンが長く、構造が複雑な膝関節は一つの製品ができるまで2、3年くらいかかります。やることは多いし難しいけれど、それだけにおもしろいです。そんな作業を楽しいと思える人にぜひ来てほしいですね。
知識は後からついてくるので、まずはものづくりが好きでやる気がある。それが大事だと思います。

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